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『ザ選挙』4年目に向けて

2014/3/3

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編集長 高橋茂

『ザ選挙』がスタートして3年が経過しました。これから4年目に突入します。

■3年間を振り返る

先代の『ザ・選挙』がスタートしたのは2006年7月ですから、途中1年のブランクがありましたが、現在8年目ということになります。

「石の上にも3年」と云いますが、選挙の世界では主な区切りは4年です。衆議院は解散がありますが、一応任期は4年。参議院は6年で例外(3年毎に半数ずつ改選)。それ以外の首長や議会の選挙は原則として4年毎にやってきます。そういう点では『ザ選挙』は、まだ区切りというところまで行っていません。

3年前の3月11日。『ザ選挙』オープン直後に東北の震災があり、ちょうど統一地方選挙が目前に迫っていたため、特に東日本の選挙は大混乱となりました。正直言って私はサイトの継続にかなり悲観的になりました。

その後、東北では「現職有利」「投票率の低下」の傾向が強まりました。これは、理想ではなく現実をすぐになんとかする即戦力と強いリーダーシップが必要になるのと、被災者の方々は自分たちがまず動かなければならないので、政治家や選挙に対する期待が低下していったのではないだろうかと感じました。

『ザ選挙』の目的は、選挙情報の改革です。現在、有権者に与えられている候補者の情報はポスターくらいです。そう言うと「いやいや、チラシ、街頭演説、公選ハガキ、電話や政見放送などいろいろあるじゃないか」と思われるでしょうが、それらは皆特別な人しか見ることはできません。新聞は、新聞を購読契約している人のみ。テレビは選挙のことを報じる僅かな時間にテレビの前にいる人か、わざわざ録画をして見る人のみです。

インターネットでの選挙情報に関しては、よく「使えないお年寄りはどうするんだ?」とデジタルデバイドの問題を持ちだされますが、今はタブレットやスマホなど、お年寄りが使える端末も増えてきましたし、そもそもデジタルデバイドのことを言うのであれば、新聞やテレビを見ない若い人たち(最近は30代、40代でも新聞を読まない人が増えているようですが)は、すでに格差状態にあるわけです。これを、私は「アナログデバイド」と呼んでいました。

現在ほとんど無い候補者情報を、少しでも広く深いものにするために『ザ選挙』があります。自分の住んでいるところの選挙に誰が立候補しているのか。それは男性なのか女性なのか、年齢は、ウェブサイトを持っているのか…そんな基本的なことだけでも有権者には提供されるべきです。そして将来的には候補者全員がウェブサイトを持って活動を発信し、有権者はそれを確認してから選挙に行く。そうすれば、選挙で選ばれる顔ぶれが変わり、議会が変わり、地域が変わり、そして日本がより良くなっていくだろう、と思うのです。

そのために大きな変化をもたらすだろうと思われたのが「ネット選挙の解禁」でした。私は2012年の3月に「One Voice Campaign」を仲間たちと立ち上げ、イベントやウェブでのプロモーション、そしてロビイングを行いました。

民主党政権時はマニフェストに入れられながらも全く検討されなかったネット選挙の解禁ですが、2012年の衆院選で自民党が政権を奪取し、その直後に安倍自民党総裁(当時)が会見で「2013年夏の参院選でネット選挙を解禁したい」と語ったのです。その後は各党が協力し合い、わずかに残っていた反対派も説き伏せ、7月の参院選公示日からネット選挙は解禁されました。

参院選時は「狂想曲」とも言えるほど、ちょっとピントがズレた盛り上がり方でしたが、参院選が終わってからは一気に沈んでしまったかに見えました。

しかし、地方選挙では確実に動きが出てきています。
「日本の原風景」安曇野で見た「草の根」ネット選挙(前編)
「日本の原風景」安曇野で見た「草の根」ネット選挙(後編)
政党相乗りの現職が敗れるケースや、先の東京都知事選挙のように、ネットを駆使して選挙を戦い、一定の支持を集められる候補者も登場するようになってきました。

マスコミの動きは遅いように見えますが、都知事選では複数のメディアが積極的にネット選挙の取材を続けていました。今すぐに使えなくても、来年の統一地方選では使えるかもしれない。そんな見通しもあるのかもしれません。

 

■『ザ選挙』の今後1年は

3rdyear_thesenkyo_icon『ザ選挙』は、この3年の間に大きく2回のシステム変更を行いました。最初は先代の『ザ・選挙』のシステムを新しいサーバーで立ち上げ、その半年後から数ヶ月かけて同じサーバー上でデータベースシステムのリニューアルを行いました。そして3回目は、2年目から3年目にかけてサーバーもデータベースもすべてリニューアルしました。

現在、データベースとしてはほぼ理想に近づきましたが、サイトに関してはまだまだ満足行くものとなっていません。

『ザ選挙』の目指すものに向かって少しでも進むために、この1年は基本的な部分の見直しをしていこうと思います。

  • 『ザ選挙ジャーナル』の充実
  • 『ザ自治体』での自治体情報の充実
  • 選挙データの有効活用
  • 外部との連携

器はすでにあります。他にもいろいろやりたいことはありますが、まずは有権者が「使える」情報を手に入れられるように、そして候補者にとっても意味のあるサイトとなるようにこの1年は地道に足場固めを行っていきます。

『ザ選挙』スタッフの日々の作業は、地味ですが間違いが許されない重要なものです。各地の選挙管理委員会の対応もバラバラで、快く候補者データを送ってくださるところも増えてきましたが、「自治体としての意向だから、ネットには情報は出さない」と頑なに断るところもあります。

継続がもっとも重要だと考え、この3年間を走ってきましたが、まだまだ安定的な運営にはほど遠い状況です。掲載記事の依頼も歓迎しますが、ぜひサポート会員となって『ザ選挙』の運営をご支援ください。
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多くの方々のご支援、ご協力、そして事務所や在宅でのスタッフの地道な努力によって『ザ選挙』は支えられています。
引き続き、サイトの活用、ご支援をお願いいたします。

2014年3月3日

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