選挙権年齢を18歳に引き下げる改正公職選挙法が、17日の参議院本会議で全会一致で可決し、成立した。選挙権年齢の引き下げは70年ぶりで、来年の参議院選挙の公示日以降に告示・公示となる選挙から適用される。今回の改正案は、与野党6党などが共同で提出した。
これを受けて、今日は正午から参議院本会議場にてNPO法人Rights主催の「18歳選挙権成立を受けての懇談会」が開催された。Rights は2000年から「子ども・若者が社会参画・政治参画する仕組みをつくるため、選挙権・被選挙権年齢の引き下げ、子ども・若者政策と政治教育・シティズンシップ教育の充実をめざして活動してきた」(公式サイトより)団体で、代表理事の高橋亮平氏や副代表理事の小串聡彦氏、菅源太郎氏、小林庸平氏らを中心に、15年間地道な活動を続けてきた。このRightsに加え、林大介氏が事務局長を務める模擬選挙推進ネットワークの活動が、この後紹介する「Teen’
そして、午後6時過ぎからは衆議院第2議員会館第一会議室にて、同じく18歳選挙権実現に向けて活動してきた学生主体の団体 Teen’
『ザ選挙』では、以前から「Rights」「模擬選挙推進ネットワーク」や「Teen’
衆議院第2議員会館の第一会議室は、100名以上の学生たちと取材メディアで、立錐の余地も無いほどだった。
まず、開会のことばとして、TRM初代代表・共同発起人である町田彩夏さんの挨拶で始まった。町田さんがTRMを立ち上げたきっかけは意外にも「選挙が好き」だったからだという。立ち上げたあとは決して順調ではなく、まわりからは奇異の目で見られたり、相手にしてもらえなかったり、簡単にはいかなかった。しかし、同じ想いの仲間が徐々にできてきて、大きな目標を達成することができた。
次に法案提出者の国会議員から挨拶があった。この法案にかける想いから、主権者教育の重要性や自覚をもって投票に望んでほしいといった希望が若者に対して出されていた。どの議員も達成感からくる清々しさが表情やことばに現れていたのが印象的だった。
次に、TRM第4期代表の百瀬蒼海さんから、これまでそして今後の活動に関する報告があった。TRMの活動はこれで終わりではなく、若者の政治参画への取り組みをさらに続けていくという決意を語り、会場に集まった若者たちに呼びかけていた。
報告会の最後として、一般社団法人リビジョン代表理事の斎木陽平氏がマイクを握った。
斎木氏は、先に紹介したRightsや未成年模擬選挙推進ネットワークが10年以上かけて続けてきた選挙権年齢引き下げの活動に花を咲かせた人物だ。国民投票法改正から沈静化しかけていた永田町の雰囲気を徐々に変えていき、今回の公選法改正を実現させた立役者のひとりだと言える。
斎木氏はいきなりプレゼンを始めた。それは18歳選挙権の先を見据えたものであった。投票率の向上、さらなる選挙権の引き下げ、皆選挙制度、そして被選挙権年齢の引き下げなど、まだまだ改革は不十分だという主張を汗だくになって行った。
『ザ選挙』でも再三記事にしているとおり、18歳選挙権によって何かが変わるということは無い。結局、若者が選挙に行かなければ、全体の投票率を下げるだけで何も変わらないのだ。今回の改正は、まだスタートラインに立ったばかりであり、これからの取組みが若者の政治参加意識を高め、投票率の向上につながり、日本が抱える諸問題を解決していく方向につながっていく。斎木氏はそれを熱弁した。
イベントのひとつの試みとして、今回集まった若者による「模擬投票」が行われた。これは架空の5人の候補者を立てて、学生たちが各々本物の投票箱に投票するという催しで、学生服で投票する姿は視覚化という点で興味深いものだった。
今後のさらなる取り組みに注目したい。
『ザ選挙』編集長
高橋茂
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