4人の候補者が舌戦を繰り広げた大阪府枚方市長選挙は30日投開票され、前府議で新人の伏見隆氏が55,156票を獲得し、無所属で現職の竹内脩氏の52,801票を接戦で破り初当選しました。
伏見氏は地域政党「大阪維新の会」の新人候補として、大阪維新からの全面支援を受けていました。会の代表である橋下徹大阪市長は、27日に維新の党を離党表明し、28日に大阪維新を国政政党化すると述べ、29日の枚方の街頭活動でも新党結成を強調。橋下氏の言動は常に注目を集め、枚方市長選にも大きな影響を与えたと思われます。
一方、3選を目指した現職の竹内氏は、無所属ながら自民党の竹本直一府連会長や、民主党の平野博文元官房長官が支援。大阪都構想に批判的だった共産党も自主支援に回り、事実上、「大阪維新の会」対「非大阪維新の会」の全面対決となりました。
過去の市長選を振り返ると、竹内氏は2007年50,680票(得票率48.6%)、2011年54,246票(得票率46.7%)、2015年52,801票(得票率42.4%)と堅調な得票数でしたが、今回、自民枚方支部長などが支援に動いた元関西テレビ部長の難波秀哉氏の9,517票(得票率7.6%)にも、一部自民票が流れたと見られています。
橋下氏は29日の街頭演説で、11月22日投開票の大阪府知事・市長選挙に「『大阪都構想』のバージョンアップを掲げて戦いたい」と表明(*1)しました。大阪ダブル選挙は、5月の住民投票で否決された都構想を巡る対立(大阪維新VS自民・民主・共産)の再現となる可能性が高く、枚方市長選は同様の構図から前哨戦とも見られていました。
橋下氏と共に維新の党を離党表明した松井一郎幹大阪府知事は、この前哨戦の結果について「大阪維新の会の純化が歓迎されたところもある」と発言したと報道(*2)されています。確かに枚方市長選挙の結果は、まさに橋下劇場とも言うべき逆転劇でした。大阪の有権者の間には橋下新党への期待感が広がっているようですが、この勢いがダブル選まで続くのか。橋下市長の後継となる市長選の候補者がどうなるのかによっても大きく変わりそうです。
(*1)大阪都構想:住民投票、橋下氏「再挑戦」(8月30日毎日)
(*2)大阪・松井知事が維新&民主合流を嘲笑 「政治哲学の全否定だ!」(8月31日産経)
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします
My選挙
あなたの選挙区はどこですか? 会員登録をしてもっと楽しく、便利に。
話題のキーワード