任期満了により実施される大阪府知事選挙は本日5日告示され、22日投開票日となります。地域政党「大阪維新の会」幹事長で現職の松井一郎氏（大阪維新公認）と、無所属で大阪府議会議員の栗原貴子氏（自民推薦）が立候補を予定しており、事実上両氏の一騎打ちと見られています。8日告示の大阪市長選挙と合わせ、いよいよ大阪ダブル選挙がスタートします。なお、栗原氏は届出と同時に府議を自動失職します。

民主、共産は栗原氏を自主支援、公明は自主投票を決めており、共産は大阪府知事選に公認・推薦の独自候補擁立を56年ぶりに見送りました。まさに選挙の構図は「大阪維新」対「反維新勢力」となり、激しい舌戦が展開されると思われます。なお、知事選には元府立高教諭の美馬幸則氏も立候補を表明しています。

それでは、注目の選挙の前にこれまでの大阪府知事選を振り返り、流れをおさらいしてみましょう。

2004年大阪府知事選挙

この選挙では、自民・民主・公明・社民などの推薦を受けた現職の太田房江氏、元民主党参議院議員の江本孟紀氏、共産党推薦の梅田章二氏の事実上3者による闘いとなり、各党相乗りの組織選挙を展開した太田氏が圧勝しました。

2008年大阪府知事選挙

現職の太田氏が3選出馬の意欲を示すも、不祥事が影を落とし結果的に出馬を断念。弁護士タレントとして活躍していた橋下徹氏を自民大阪府連が推薦し、民主・国民新推薦の熊谷貞俊氏と共産推薦の梅田章二氏の事実上3者による闘いとなり、テレビなどで圧倒的な知名度を持つ橋下氏が、過半数を超える得票数で初当選。当時、全国最年少知事となりました。

2011年大阪府知事選挙

現職の橋下氏は任期満了3ヶ月前に、大阪都構想などの信を問うため大阪市長選挙への鞍替え出馬を表明したため、急遽、後任選びの選挙となりました。大阪維新の会の松井一郎氏が大阪都構想を掲げて参戦し、反維新勢力の支援を受けた倉田薫氏と共産推薦の梅田章二氏の事実上3者による闘いとなりました。橋下氏が出馬した大阪市長選とダブル選挙となり、松井・橋下両氏が当選し維新旋風が巻き起こりました。

2015年大阪府知事選挙

「大阪都構想の是非」については、今年5月17日に住民投票が実施され、反対70万5585票、賛成69万4844票という僅差で否決されました。現職の松井氏は橋下市長の後継候補の吉村洋文前衆院議員と共に、都構想の再挑戦を掲げて出馬を表明。都構想に反対する反維新勢力の支援を受けた栗原氏と一騎打ちの構図となりました。

また、橋下氏が初当選した2008年、そしてダブル選挙で維新旋風を巻き起こした2011年と、投票率は右肩上がりに伸びてきています。果たして今回の大阪府知事選ではどのような投票行動が見られるのでしょうか。そして大阪都構想は再燃するのでしょうか。注目の選挙がいよいよスタートします。

※2004年の大阪府知事選挙の投票率が39.75％となっていましたが、これは男性のみの投票率で、正しくは40.49%でした。お詫びして訂正します。